Thursday, February 11, 2010

What is Robert Gates Really Fighting For?



By Elizabeth Rubin

米国防長官のRobert Gatesは、Doomsday Planeと呼ばれる冷戦の遺物に乗って、戦争地域やその隣国、中国やロシア、スリナムへと世界中に飛び回っている。その飛行機はBoeing社で1970年代に製作され、核戦争の真っ只中でも上空に留まれるために設計された。それはまるで飛んでいるペンタゴンだ。飛行機はかなり重いので、長時間のフライトでは上空で燃料補給する必要がある。大統領専用機の在外乗組員が私にこんなことを教えてくれた。浮かんでいるタンカーの燃料ノズルが怒り狂った宇宙生物のように操縦士側のフロントガラスを強打することがある、と。その飛行機は、核攻撃シールドで覆われ、全てのアメリカミサイル格納庫に対して発射コードを放つことができる数少ない飛行機のうちの一つである。


操縦室を過ぎたところには、プラグ、インターネット、漆塗りのテーブルが備え付けられた会議室がある。ローファーを履き、ジーンズとボタンダウンを着て、アフガニスタンとイラクから帰る途中ですっがりリラックスした長官がそのテーブルのところの席に着いている。長官と私は、議会公聴会で感じたストレス、若い男女を戦争に派遣しなければならないという重責について話し合っていた。そして、ちょうど会話が終わりに近づいたときに、長官は言ったんだ。「私にとってはテキサスA&M大学でのフットボールがこれまで遂行してきたどの仕事よりもストレスだったとよくみんなに話してたんだ。それで、みんなはいつも私が大げさに言っていると思ったんだよ。」私は信じられないことだと言ったが、長官はその言葉を曲げなかった。


「私はあるとき妻に、「それはどうして?」と聞いてみた。そしたら彼女は「だってあなたコントロールしないじゃない。」って言ったんだ。」長官は話を中断した。・・・「ここでは、私だってコントロールの一つや二つしているだろ。」と機内の会議用テーブルを叩きながら言った。


それは昔ながらのゲイツだった。ひょうきんで、タイミングに気を払い、若干自分を卑下するところもあるが、ひどく自分をよくわかっている男である。そういった性格も明らかだった。ゲイツは、注意深く、節度があり、控えめだがとことん効率重視で自分の権力を行使する長官である。(そんな性格を表す出来事を紹介しよう。)2月1日にしたように、彼は、コスト超過と技術的欠陥が因で、ペンタゴンの新しいF-35ステルス戦闘機プログラムを監督していた軍当局者を解雇した。さらに、Lockheed Martin社に対し、罰金として料金の中から6億1500万ドルを差し引いた。多くの国防省の請負人やプログラムマネージャーは要求された目標に
達していないが、ほとんどたいていはうまくやってのけている。ゲイツの下ではそうはいかない。


ゲイツの同僚で、冷戦の生き残りであるDoomsday Planeのように、ゲイツは権力、支配力、そして驚くほど長い在任期間を具体的に表現するようになってきた。身長たった5フィート8インチ、小さな手足、カンザス州出身のおとなしい66歳のゲイツは、ほとんどの彼の同僚の官僚や政策立案者と同様に、長官の座を7年続けてきた。彼は、最高位の仕事=CIA長官にのし上がるには、まだ初心者レベルのCIA分析官である。そして、反対政党の政権において、そのまま留任するよう頼まれた唯一の国防長官である。ゲイツは、忍耐、実用主義、そして官僚としての手腕を組み合わせることで成功を収めてきた。また、これまで、押し寄せてくる様々な問題―ペンタゴンの改革、ミサイル防御、アフガニスタン問題、そして軍隊における「聞くな、教えるな」政策を撤回するペンタゴンの動き―を対処してきたことで、ゲイツはオバマ戦争内閣の中で最も重要な長官となった。それは、すさまじい功績である。なんたって、彼は民主党国家安全チームで唯一の共和党民なんだから。


「どんな地位を選んだとしても、ゲイツは影響力No.1の長官である。」と、Leslie Gelbは述べる。彼は、外交関連閣僚団の名誉会長で、アフガニスタンに対する政府戦略に疑念を抱いている。12月初頭、オバマ大統領が米国陸軍士官学校で、戦争地域にさらに30000人の兵士(2009年に動員した32000にさらに追加した)を送還し、2011年7月に呼び戻し始めることを決定したと公表してから数日後、ゲイツはサンデートークショーに行き、撤退は現地の状況次第だろうと言ったことを、Gelbは指摘している。「大統領はゲイツに異議を唱えなかった。」とGelbは言う。今の政権におけるゲイツの役割と権力についてあなたが知る必要のあることの大部分を、このことが物語っている。


ホワイトハウスが国家安全の縛りの中にあることがわかるとしたら、ガミガミうるさい共和党員をかわすためにどのようにゲイツを利用しているかもそこからわかる。FBI役員がクリスマスの日に起こった爆破犯の被疑者、Umar Farouk Abdulmutallabを逮捕したとき、彼らは黙秘権を被疑者に読み聞かせる前に、たった50分しか尋問しなかった。その事件からずっと、共和党員はホワイトハウスを非難している。なぜ、より完璧な尋問が行われる前に弁護士に接見することを許可しなかったのか?なぜ、被疑者は軍事裁判の代わりに文民裁判を受けているのか?どういうわけか、話は、ゲイツが両決定を承認したということに収まった。私がゲイツにそのことについて尋ねたとき、彼は慎重に答えた。爆破の被疑者をどう処理するかということについての結論は、ゲイツが問題なしとする前に既に話はついていたそうだ。Abdulmutallabは、それから調査官に協力し始めている。彼がどこで裁かれるかについては、ゲイツがこう述べている。「私は法務長官の判断に従う。」

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