Friday, June 19, 2009

How to prepare for a Pandemic






Monday, May. 18, 2009
How to Prepare for a Pandemic
By Bryan Walsh

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http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1896728,00.html


The progress of our reading: June 1 started

  にわか景気に沸く200万人都市で、メキシコ・シティが普段の生活を取り戻した時に最初に見られたものが、公的な宗教儀式や政治的集会ではなく交通渋滞だったことは妥当である。新型インフルエンザの大発生に応じての1週間にわたる閉鎖の後、5月5日-戦勝記念日-メキシコ・シティは再び動き出した。豚インフルエンザの蔓延が速度を落としたことが、メキシコ政府に最悪の時は過ぎ去ったという希望を抱かせた。「我々の戦略はうまくいっている」とメキシコ大統領フィリップ・カルデロンは語った。「我々は、今、緩やかに、日常の活動を再開できる」

  国際保健当局は、新型インフルエンザウィルスの報告が4月の終わりに最初に浮上してから警戒状態にあったが、それもまた緊張を和らげ始めた-ほんの少しだけ。世界保健機構(WHO)や疾病管理センター(CDC)の科学者たちは、深刻または死にいたる事例は、メキシコ以外では、わずかしか発見しなかったし、殆どの国において、この病気の継続する蔓延の証拠も少ししか発見しなかった。5月6日までに、ウィルスは22カ国で1,516人に感染した-*2名の死亡者を出した合衆国での642人を含む-そして、世界は公式には未だパンデミックの瀬戸際にいるが、アトランタのCDC本部でのその雰囲気は相当落ち着いてきた。「我々は、危険を逃れたわけではない」とCDCの所長代理であるリチャード・ベッサーは語った、しかし「我々は、多くの励みになる兆候を見ている」

  だから、*(世界中) *アメリカにおける何百校もの学校閉鎖、*(国境での検疫、)そして手洗いに関する首相の記者会見は騒ぎ過ぎではなかったか? 残念なことにそうではなかった。保健当局が繰り返し指摘したように、我々は未だに新型インフルエンザ大発生の初期にあり、インフルエンザ・ウィルスはうわさ通り予想がつかない。今現在、この新しい病気はもはや季節インフルエンザよりも危険に見えない(新型インフルエンザの遺伝子記号を調べた研究者たちは、どうやら、過去のパンデミックを引き起こした致死的なウィルスの鍵となる突然変異遺伝子が欠けているようだと言う)がしかし、新型インフルエンザは今度の冬により破壊的な形になって戻ってくるだろう-ちょうど、1918年に起った破滅的なパンデミックを引き起こしたウィルスのように。
「突然変異がおこりうる状況だ。」とWHOの健康安全環境部の福田敬二事務局長補代理はいう。「もしウィルスが深刻になるとすると、ここは一気に叩きにいかねばならない。」
( *web version, *magazine version )

June 5


アメリカ、そして世界各国の保健機関当局者たちがとった新インフルエンザウィルスに対する包括的な対応は称賛に値するが、今回の新ウィルスは私たちの気概を真に試すものではなく、単なる威嚇射撃にすぎないというのが本当のところだ。
「今回のことはわたしたちを目覚めさせる警鐘ととらえるべきだ。これ以降スヌーズアラーム(うたたね防止ベル)が鳴ることはないのだと。」
コロンビア大学の国立防災対策センター(National Center for Disaster Preparedness?)所長であるアーウィン・レドルナー博士は警告する。


新型ウィルスは、現在の相互連結した世界が新生の病気に対してどれほど無防備であるかを明らかにした。航空機の利用、国際貿易のおかげで、新しい病原体は2週間にみたないうちに、20カ国にもその種をばらまいてのけたのだ。
しかし、グローバル化は不利な部分も含んではいるものの、真に国際的な疾病調査システムを構築する手段を与えてくれるという点では強みだ。そして世界流行の脅威により、ガタガタのアメリカの医療制度を補完せねばならないことを私たちは思い起こす。感染症の大発生がおこれば、誰もが危険にさらされるからだ。
「世界も健康もひとつ。私たちは共有して生きているのだ。」と国連の食糧農業機関の高官であるジュアン・ルブロス博士はいう。


ウィルス早期警戒システム


まだ新型インフルエンザが単なる豚インフルエンザであったうち、その存在を見逃したのは予期していなかったためだ。豚の疾病に関する調査はアメリカやカナダにおいては散漫なものがあるのみで、メキシコにいたってはさらにない状態だ。
アメリカ豚獣医協会(the American Association of Swine Veterinarians)によると、新型インフルエンザの発生がおこるまでの数カ月間に変わった病状の報告はほとんどなかった。豚インフルエンザはありふれた病気であり、重症化することはめったにないので、獣医ならば気がついたであろうとは必ずしもいえないのだ。(not that vets would have necessarily noticed,since flu in swine is common and rarely serious.)
AASVの事務局長であるトム・バークグレン博士は語る。「警告となる事例は何もなかった」と。


なぜ、ウィルスを探して豚の鼻孔をこすりとり、貴重な医療資源を浪費する必要があるのだろう。


June 8


その理由は、H5N1トリインフルエンザ、SARS、HIVさえをも含む新病原体が最終的にヒトに乗りうつる以前に、動物の個体群の中で潜伏培養されるからだ。
インフルエンザの生態環境において、豚は重要な鍵を握る。トリ、ブタ、そしてヒト、どのインフルエンザウィルスにも感染することにより、ウィルスのミキサーの役割を担う。新型インフルエンザウィルスの発生源や、その最初のヒトへの感染時期は未だ確定できないが、ヒトインフルエンザウィルスについて握っている明確な実態の半分ほどでも豚やその他の動物間に感染するインフルエンザにおいても握っていれば、H1N1の脅威を予測できたかもしれない。
(新病原体をかぎつけることにおいて、ある疫病学者はいう。「まるで私たちは鍵を探しまわっている酔っ払いのようなものです。」)
より早くなった遺伝子配列の解明とインターネットが早期警報システムを作る技術を授けてくれた。
しかし、現在よりも動物衛生に力を注ぐ必要があるし、関連する分野の獣医たちともっと連携をするように医師たちには促すべきだ。
「あまりにも長いあいだ、動物側の公衆衛生は軽視されてきたのです。」と野生生物保護協会の副会長であるウィリアム・カレシュ博士はいう。

June 9

新型インフルエンザは、すでに動物から人に乗り移り、そして定着してしまったため封じ込めるには手遅れだが、動物世界では新型のウィルスがひっきりなしに生まれ育っているのだ。その中には、あのH5N1トリインフルエンザも含まれ、アジアやアフリカでくすぶりつつ、なお突然変異をし大流行の引き金となる可能性がある。グローバル化によって新しい病気に特別に影響を受けやすくなった。しかるべき病原菌体が、しかるべき場所に現れれば、24時間以内に世界中に広がることもありえる。しかし同時にグローバル化によって効果的な防御体制を作るための手段も得た。「いま世界がひとつの地続きの村であるという事実は、以前ならば絶滅してしまっていたであろうウィルスでも、もっと早いペースで根を下ろしてしまう可能性があるということです。」とGVFIの理事長のネイサン・ウォルフェ氏はいう。「しかしまた、全世界共通の免疫システムを作れるということでもあるのです。」


ウォルフェのアイデアはその免疫システムがどんなふうになるだろうかというひな形だ。グーグルなどから資金をうけ、GVFIはアフリカやアジアの現地にチ―ムを設置した。動物やチームの近隣にすむ人々を対象に新型のウィルスについて調査するためだ。

                             
(GVFI has teams on the ground in Africa and Asia surveilling wild animals and the people who live in proximity to them for new pathogens.)

(GVFI has teams which are surveilling wild animals and the people for new pathogens)

survey~ for :~に関して調査する

on the ground :現場で
Survey:監視する



June 10

「これらの番人となる人々」が新型ウィルスが出現すると早期警告を発する。危険な病気が動物から人間に感染するやいなやすぐに発見されたら、素早い対応でその病気を封じ込めることができる。ただし、それも私たちが監視していればに限ってこそ可能なことなのだ。
監視に数千万ドルを使うことで、大流行に対処するのにかかるであろう費用の数千億ドルを節約することができる。とWild life trustの代表であるピーター・ダスザック氏はいう。「一オンスの予防がまさに一パウンドの治療に匹敵するのだ。」

大流行がおきたら

非常に油断のない早期警戒システムでもすり抜けてしまう病原体はあるだろう。ウィルスは、なにしろ抜け目なく巧妙にふるまうのだから。

(They are good at what they do-"what they do" is like a job? being used such as "What do you do?" "I'm a doctor"?)



June15
新しいインフルエンザの大流行は避けられないも同然であり、迅速なタミフルの配備と州政府発のアドバイスの嵐、といった今回のH1N1への反応は、以前よりもずっと大流行にたいして備えができている事実を示しはした。が、本当にそれで準備ができているということにはならない。

世界中に広がり、アメリカ全人口の25パーセントから30パーセントが罹患するような深刻なインフルエンザの大流行がおこれば、われわれの健康保険システムは、データーを詰め込みすぎたウェブサイトのようにクラッシュするだろう。

June 16
不景気による予算削減で州や地域の健康機関は昨年1万人の人員削減を余儀なくされた。そのことにもある部分起因するが、現在の病院はサージキャパシティ(surge capacity:増患緊急収容能力)―つまり、余分なベッドや人工呼吸器といった殺到する罹患者に対応するのに必要なもの―についていえば、ほとんどない状態だ。                                                                                                          ★Surge capacity is the ability to rapidly mobilize to meet an increased demand.







そしてまた、そういった病院が大流行のさなかにおいて医療スタッフを確保し続けられるのかどうかについても保証はない。

「本人が病気になった、あるいは家族の看病をするなどの理由で、公衆衛生スタッフの3分の1が働けなくなったとしたらどんなことになるのだろうか、そんなことはこれまでテストしたことがないのです。」と米国郡市役所の事務局長であるロバート=ペストロンク氏は語る。

健康分野以外において大流行がひきおこす可能性のある混乱、感染症研究と対策センター(CIDRAP@ミネソタ大学)を率いるマイケル=オステルホルム氏はそれを「コラテラル・ダメージ(巻き添え被害)」と呼び、さらなる事態の悪化を懸念する。

※要検討:The "just in time"supply chain on which so many U.S. corporations rely leaves little slack and could buckle during a pandemic.
あまりにおおくのアメリカ企業がジャストインタイム供給システムにたよっているため、余裕をほとんどもたず、大流行の間にくずれる(折れる?締まる?)可能性がある。

★JIT供給。実需にマッチングした供給。必要な時に必要なだけ、ユーザーに提供する。

昨年のあるレポートでCIDRAPは言及している。アメリカの石炭供給のうち40パーセントが自国の発電量の半分を生み出すのに使用されているのだが、その石炭はワイオミングの炭鉱からアメリカのその他の地域へと電車でシャトル運搬されていると。
もし、大流行がいっぺんに大勢の炭鉱労働者を、あるいは少数だけれど運搬する電車を操縦する資格のあるエンジニアを襲ったとしたら。国中いたるところの灯りのスイッチを消しつつ、石炭の供給は早いペースで少なくなっていくことが考えられる。

June 17th

「大流行がおきたら、ふたつの災難を相手にしなくてはならないでしょう。」とオステルホルム氏はいう。
「インフルエンザによる人の罹患とジャストインタイム供給システムによるコラテラルダメージ(巻き添え被害)です。」

「ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院」の調査によると発展途上の国々は大流行にたいして全く準備ができていないことがわかった。とくに顕著なのはアフリカで、そこでの高いHIV感染率がインフルエンザによる犠牲者をさらに増やすことになるであろうのに、アフリカの多くの国々はパンデミック計画をまるきり用意していない。 けれどもアメリカが見本にできる国際的モデルもある。香港だ。2003年にSARSに荒らされた経験があるが、現在は2千万セットものタミフルを備蓄していて、その量は香港の人口の3倍分にあたる。
(米国政府には人口の1/6をカバーするに足るくらいの量と、その他に各州による備蓄分があるのみだ。)
香港のはずれにある休暇村は隔離地域として機能するよう設定されていて、疫学研究と病院のベッド数を増やすことに資金をつぎ込んでいる。
「伝染病の対応においては、香港はまさに国際的ゴールドスタンダードを築いています。」とWHOの大西洋地域事務所のスポークスマンであるピーター=コーディングリー氏はいう。

米国政府は国内の抗ウィルス剤備蓄を増加しつづけることが可能だし、するべきである。
そして2005年のthe Department of Health and Human Servicesにより発表された396ページにもなるドアストッパーのようなパンデミック対策プランの改定版の発表もせねば。

国内においてインフルエンザワクチンの製造能力を強化し、配布量を増やすことも必須だ。しかし本当に国を大流行から守るということは、健康保険システムの中心にある根幹的欠陥にとりくむことを意味する。つまり、何の保険にも加入していない5千万人ほどのアメリカ人をまずはどうにかせねばならない。

保険無加入者らは大流行中に治療を求めて病院へ殺到する傾向が高く、負担の大きいシステムにさらに税金を注ぎ込むことになる。「前世紀のチフスのメリーの話に似通っています。」とコロンビア大学のレドルナーはいう。「保険無加入のそういった人たちは、まったく予測不可能な方法でその病気を広げていくでしょう。」

*Typhoid Marys: 腸チフスをばらまいた保菌者。保菌者であったNYの調理師Mary。1938年

保健非加入者たちが提示する危険は、伝染病についていえば私たちは運命共同体なのだという現実を再び思い起こさせる。
罹患した豚と罹患した人々、メキシコにあるウィルスとニュージーランドでおこる伝染―グローバル化した世界では、遠くにあるようにみえた細菌の脅威が数時間以内には玄関先までやってきうるのだ。
「社会がグローバル化したことで、私たちの強さはその中の最も弱い部分により左右されることになったのです。」とCDCのベッサー氏は言う。
次におこるかもしれないパンデミックを避けるには、あるいは少なくとも生き残るためには―覚えておかねばならない言葉だ。

 ★A chain is only as strong as its weakest link. 常套句:鎖の強さはその中の最も弱い環によって決まるものだ。












2 comments:

Yuko said...

June01>>>>>>>>>>>>>>>>>
It's fitting~:~なのは、ふさわしい。適当だ。もっともだ。

recalled to life:よみがえる

the Centers for Disease Control and Prevention/CDC:疾病管理センター

On the bling of :の瀬戸際で

ado:骨折り、騒ぎ
much ado about nothing-から騒ぎ

pandemic:(全国的、世界的)流行

outbreak:大発生

mutation:突然変異体

jump on:とびかかる 襲いかかる

Yuko said...

June05>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

comprehensive: 総合的な、包括的な
snooze: うたたね
mettle: 気骨 気概 勇気
vulnerable :うたれ弱い、無防備
interconnected: 相互に連結した
pathogen: 病原体
liability: 責任、義務、不都合なこと、不利
creaky: がたがたの、きしる
fill the gaps: すきまをうめる 格差をなくす、補完する
Food and Agriculture Organization: 食糧農業機関
tip off:こっそり知らせる、内報する、(口)~に警告する