Sunday, December 6, 2009

Dangerous Liaisons: How to Deal with a Drama Queen

From the November 2009 Scientific American Mind


Dangerous Liaisons: How to Deal with a Drama Queen
The damaging theatrics of drama queens may spring from defects etched in the brain. Yet you can limit the havoc they wreak on your life
By Ophelia Austin-Small
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=dangerous-liaisons

サムに呼び出された。夜の9時だ。泣いている。自分の髪が抜け落ち続けていると信じ込んでいてそこから話は始まった。アシスタントティーチャーとしての仕事は、「愛と喜びで自分を満たしてくれるもの」ではあったものの、お昼休みに上司が自分に不快な一瞥を投げたのは間違いないと彼は思う。それですっかり気分がまいってしまったらしい。そのあと、サムはこの頃つれないと感じていた恋人に電話をかけた。そして、もう捨てられてしまうに違いないという恐怖に苛まれ、職員トイレに閉じこもり、一時間ちかくも泣き続けたのだ。仕事を終えることもままならなかったどころか、他の職員たちは、おかげでトイレが使えなかった。

サムはドラマクイーンだ。日々の出来事に過剰な感情と人の注目を引く大げさなふるまいで反応する人間。このタイプは、恋人とのひどいいさかいの話を2時間もかけてすることで、気の置けないランチを台無しにしてしまう友人であったり、絶えずどんなに自分が失業しそうになっているかとう恐怖にとりつかれ、日々をのりきるのに他人のサポートを必要とする同僚だったりする。ドラマクイーンは些細な出来事へ過剰に反応し、あなたを持ち上げたかと思えば、次の瞬間には、こきおろしたりするのだ。

ドラマクイーンと生活や仕事をともにする。それはすなわち疲弊と撹乱の日々を意味しうる。ドラマクイーンが同僚だった場合、職場での生産性を奪われたり、騒ぎを収めようとするためチームとしての活動がとめられたりすることさえある。もしドラマクイーンと暮らしているならば、非難あるいは芝居じみた謝罪を毎日のように浴びせられ、あなたは怒りや罪悪感や疲労とともに捨て置かれているのかもしれない。他人に対して過激なふるまいをみせるドラマクイーンもいて、自傷行為や自殺をほのめかしたりする。そうした激しい行動が家族や同僚をうつにしたり、不安にしたりするのだ。

科学者たちは解明し始めている、こういった、専門医の助けがなくては治療困難な、破滅的な特性の原因の一部に関して。その状態が最もひどくなり、こういった行動が生活のほとんどの部分まで広がってしまうと、彼または彼女は、人格障害と診断を受けるかもしれない。境界性人格障害の患者は、例えば、極端に興奮しやすく衝動的で、人間関係で頻繁に問題を起こす; ヒステリー性の人格障害患者は、非常に感情的で、異常に同情を求めることから人の気を引こうとする。しかしながら、こういったドラマクィーンと、親密な関係にあったり、そうでなくても付き合いがある場合、いくつかの簡単な方法が彼らの感情の渦に巻き込まれるのを避けるための助けになる可能性がある。

トラウマからドラマへ
何がドラマを促すのだろう? 幼少期のトラウマが一部のケースでは引き金になるかもしれない。ヒューストンの、小児トラウマ研究所の精神分析医であるブルース・ペリー氏は、トラウマを経験した子供たちが、―虐待から自然災害までの― その脳内物質に変化を起こし、それが、脳内の、人を憂鬱にさせたり、刺激に対して過敏にさせたりする領域に影響し、社会の行動様式や、周りの雰囲気を正確に判断できなくさせてしまうことを発見している。

育児放棄もまた1つの要因になりうる、とその分野の専門家たちは考えている。両親や保護者が常に子供の考えや、感情や経験について無視したり、軽く見たり、撥ねつけたりし続けると、その子供は、周囲の気を引くためには劇的な表現が必要なのだと決めてしまうかもしれない―例えば、挑発的な服装をしてみたり、突飛な冒険の話や、危機の話をするほうがいいと考えるのだ。

遺伝子もまた同様に一因である可能性がある。ハーバード・メディカル・スクールの精神分析医ジョン・ガンダーソンらによる2004年の研究によれば、過激な行動は家族を追い込むのだという。ガンダーソンのチームは、他の人格障害患者の血縁者の17%に比べて、BPD患者の血縁者の27%がその障害の問題ある人間関係持つという面を見せたことを発見した。共有される環境的な要因が―つまり、それぞれの子育ての習慣から子供は学ぶのだ―この場合ある役割を担う可能性がある、それでも、ガンダーソンは、今までのところはまだ発見されていない遺伝的変異もまた、家族の中の誰かの愛情や気分の調節を困難にさせるかもしれないという理論をうちたてた。

回路変化
人格の根底をなすものが何であっても、ドラマ・クィーンの脳には冷静な人の脳とは異なる構造が見られる。2007年にウィール・コーネル医科大学の精神分析医であるエミリー・シュターンとその同僚たちは、MRIを用いて脳活動を分析した、14人の健康な人たちと、16人のBPD患者に、否定的な言葉、肯定的な言葉、中間の言葉への反応を求められる作業を行わせて計測した。このBPD患者の脳の前頭葉全部大脳皮質の一部―これは、否定的な言葉に対する反応 (この実験ではボタンを押すこと) を抑制しなければならない場合に、考えや感情反応を制御する領域である―に活動減退が見られた。それ故に、深刻な症状のドラマクィーンたちは、否定的な感情に対する不適切な反応を抑制するための回路が弱いように見られた、つまり感情を表に出そうとするのを自分で止めるのが困難なのだ。ドラマクィーンたちは、そしてまたより激しい感情を持っているのかもしれない:コーネルの研究によると、へんとう体 (感情を司る脳の領域) は、BPDの患者においては異常に活発であった。

このような欠陥のある回路の結果が苦痛の余波を残す。その激高しやすさは、仕事における能率や適合性の障害となり、家庭における安定した幸せな人間関係を阻んでしまう。こんな人と付き合うのは辛いことかもしれない、たとえその大げさな言動を、脳に深く刻み込まれたものとして受け入れることが、数ある方法の中でも特に、自分自身をドラマクイーンから遠ざけ、その影響を軽減する助けになるかもしれないとしても。

ドラマを無害化する
ドラマクイーンへの対処には、計画性、冷静沈着さ、如才なさが必要とされる。

境界線を引いて下さい。対話の長さと、話してもよいと思う話題に制限を設け、その制限についてドラマクイーンに具体的に説明しましょう。本人に直接言って下さい、例えば、「ジェーン、私の席におしゃべりしに来てもいいけど、お昼休みだけよ」と。電話が掛ってきたら、本題の前に前置きしましょう「15分しか話せないわ。」と。

一貫した態度でいることです。会話を引きのばしたり、噂話を広めたり、夕食に誘ったりして、自分のルールを破ってはいけません。そういった些細な過ちは、"ノー"が時として "イエス"を意味するのだと暗示するし、彼または彼女の押しの強い振る舞いを助長する可能性があります。会うことに同意する場合、いずれにせよ、約束は守って下さい。安定しない振る舞いは、ドラマを悪化させるのです。

冷静でいて下さい。自分自身が大げさに反応するのを避けて下さい。"激怒した"や、"完璧な"や、"悲惨な"などのような形容表現は、感情を高ぶらせる傾向があるのです。

言い分を認めて、それから話題を変えましょう。一部始終を話し合いたがる人もいるが、ドラマクイーンにとっては、そういった分析は感情を高めるだけです。彼らの困った事情を認め、その後で、前向きなことに目を向けるよう仕向けて下さい、もしくは、もしできるのであれば、彼または彼女の状態を改善出来るようなものに目を向けるよう手助けして下さい。例えはこんな風に言うのです、「そうね、あなたが困るのは当然だわ、でも、どうすればもっとうまく解決出来るかしら?」

記録をつけて下さい。もし、そのドラマが職場を混乱させるのであれば、全ての厄介な対話を文書化しておいて下さい、日付、時間とその事件の様子を書き留めて下さい。いつか、その問題について、人事課に知らせたくなるかもしれません。

縁を切ることを考えましょう。もしその人との関係が、自分の努力にもかかわらず致命的なものになってしまったら、そこから抜け出す必要があるかもしれません、たとえそれが、新しい仕事を探さなければならなかったり、配偶者との別れを意味するものであったとしても。その人間関係が自分にどんな影響を及ぼしているか、そしてその人間関係を保つことに価値があるのかどうかを知るために、カウンセラーを訪ねたくなるかもしれませんよ。





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