http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1940544,00.html
By Andrew Marshall / Ulu Masen Monday, Nov. 30, 2009
野生の像を追跡するうえで知っておくべき重要なことが2つある、そしてその2つとも、実際にジャングルに行って野生の像を追跡する前に知っておいたほうがいい。1つめは、像は足が速いということ。鬱蒼とした森の中では―今回の場合、インドネシアのアチェ州にある広大なUlu Masen生態系で、ヒルが人々の足元で蠢き、白い手をしたテナガザルが木の上でキーキー鳴いているような場所なのだが―像は鹿よりも速く動けるのだ。2つめは、像は木に登れないということ。これはよいことである、何故ならば、もしも像の群れの1頭から狙われた場合、何をするべきか、これではっきりしたからだ。
あるいは、これは少なくとも、ジャングルのことを熟知した森林警備員たちの助言である、彼らは、この190万エーカー(7,700平方キロメートル)の荒野の一角を巡回している。この警備員たちは、ロンドンに本拠地を置く、フラウナ&フローラ・インターナショナル(FFI)によって、Ulu Masenを、違法な森林伐採者たちや、密猟者たち、つまりそこにある貴重な硬材や豊かな野生生物たちを欲張って狙っている輩から守るよう訓練されている、そこにいる野生生物たちというのは、像や、手長猿、豹、熊、ニシキヘビ、そして穿山甲(センザンコウ)などだ。ここの警備員の仕事は、現代社会とかけ離れているように見えるかもしれないが、Ulu Masenの未開の地をこえたはるか遠くの地と密接なかかわりを持っている―つまり、アフリカやアマゾンのようにインドネシアと並んで、熱帯雨林がまだかろうじて存在している場所から、コペンハーゲンの会議室、数千人の使節たちが来月の歴史的な気候変動に関する会議のために集まってくるだろう場所までと密接な関わりがあるのだ。
緑色の植物は光を利用して、大気中から吸収した二酸化炭素と、それから水とを有機化合物に換える、その副産物として、酸素を生成しながら。この一連の過程は光合成と呼ばれ、Uli Masenのような森を、地球の気候を調節するうえで、重要な役割を担えるようにさせている。森林は、推定3億トンの炭素を蓄えている、これは、全世界における温室効果ガスの年間総排出量の40倍に相当する―炭素の排出は、地球温暖化を引き起こすのだ。森林を破壊すれば、そこにあった炭素を大気中に放出することになる、現代における大きな難題―破滅的な気候変動を避けるという問題―を解決できないものにしてしまう。森林破壊による炭素排出量は、全世界の人間活動による炭素排出量の15%を占めており、これは、車両や航空機全てを含めたものによる炭素排出量よりもはるかに多くなっている。インドネシアにある森林は非常に速い速度で消滅していっている、信じられないことだが、発展途上国であるインドネシアの炭素排出量は、産業大国である中国とアメリカに次いで3番目なのだ。1950年以降、グリーンピースの推定によれば、1億8千200万エーカー(740,000平方キロメートル)を超えるインドネシアの森林が、Ulu Masen95個分を超える広さに相当する森林が破壊されあるいは劣化してきたという。
良いニュースはある、森林を保護することは、”炭素排出に関して得をする最も簡単でお金のかからない方法の1つであるということだ”と、グリーンピースの広報担当者であるダニエル・ケスラー氏は語る。Ulu Masenは、REDDと呼ばれる国連の先駆的な計画のもとで保護される最初の森林のひとつになるだろう―REDDとは、発展途上国における林減少と森林劣化に由来する排出を削減しようとすることである―国連のこのプロジェクトは森林を無傷のまま保つための多額の奨励金を提供する。ここにその仕組みをあげる。Ulu Masenの森林を保護してそのままこれから30年過ぎれば、推算で1億トンの炭素の地球の大気圏への放出を止めることができる―この量は5,000万回のロンドンからシドニーへのフライトによる炭素放出量に相当する。こうして蓄えた炭素量は、何100万ものカーボン・オフセット・クレジットに換えることが出来る、このクレジットは、国連による排出量の削減目標を達成しようとしている、裕福な国や企業に売られる。こうしたクレジットの販売によって生まれた収入は、その後、森林へと再投入されて、その森のすぐ傍で暮らしている集落の生活を改善し、それによって、人々に木々を生かしたまま保たせることへの理由を与えるのだ。言い換えれば、森林は枯らされるよりも、保護されて温室効果ガス排出量を削減するほうがいいということ。
Wednesday, November 25, 2009
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