Wednesday, September 23, 2009

Ardi Is a New Piece for the Evolution Puzzle

http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1927200,00.html
By MICHAEL D. LEMONICK AND ANDREA DORFMAN
Thursday, Oct. 01, 2009
Science magazine with the skeleton of Ardipithecus ramidus, aka "Ardi." T. White

















ヒトの起源について解き明そうとするのは、非常に大きくて複雑で、ほとんどのピースを失くしてしまったジグソーパズルを組み立てようとするのに似ている。多くのピースはもう見つからないだろうし、見つかったピースは何処に当てはまるのか分からないこともある。時々ではあるが、化石探索者はパズルの大きな部分をいっぺんに埋める発見に出会い、そして同時に、今まで組み立ててきたと思っていたパズルの絵そのものの形を変えることがある。

まさにそんな発見の道が、1994年11月に、エチオピアの埃っぽいアワッシュ河中流域から、ヒト科の手のひらの骨が2欠片発見されたことによって、始まった。数週間のうちに、今後15年間続くだろう集中的な発掘調査活動によって、さらに100を越える骨の欠片が発見され、ついに、今週明らかにされた進化論の証拠に関する鍵を発見した;それは、4,400万年前の、アルディピティクス・ラミダスとして知られているヒトとみられる骨である。

10月2日発行のサイエンス誌特別号に掲載された一連の研究において(この11件の論文は10カ国から47人の著者によるものだった)、研究者たちは、アルディピティクスのベールを剥いだのだ、125片のヒト科の骸骨は、著名なルーシー(アウストラロピテクス・アファレンシス)よりも1,200万年前のもので、今までに発見された骨の中では飛びぬけて最古のものであった。カリフォルニア大学バークリー校のティム・ホワイト氏、この新しい化石を発見し研究しているアワッシュ調査チームの共同責任者である彼はが言うには、「生物学を理解するために、皆が心から欲しがっている部分は、頭蓋骨、骨盤、脚や腕、そして手足なのだが、我々はその全てを手に入れた」

アルディのいいところは、良い骨だということだ。アルディの骨の完璧さは、その周囲の同じ時代の堆積物から採集された150,000を超える植物や動物の化石と同様に、我々ヒトの最古の先祖の可能性があるものの1つであるアルディピティクスについて、かつてないほどの情報をもたらした。この骨によって、科学者たちは、アルディピティクスを直接的に、その子孫と思われる、ルーシーの種族であるアウストラロピテクスと比較することが出来るようになった。もしかすると、最も重要なことに、ヒトとチンパンジーが共有した最後の共有先祖の、その種族が、700万年前に分岐する前に似ていたかもしれないことについてのヒントをアルディが提供している。

アルディは、最も古く最もよく記録されている共有祖先の子孫である。むしろ「その分岐点に非常に近いところに」存在する、とホワイト氏は言う、驚くべきことは、アルディが、我々と最も近い現存する霊長類であるチンパンジーと似ていることだ。定義しがたい共有祖先の骨はいまだ発見されていないが、科学者達は、手に入れられる証拠を元に研究している(特に、アウストラロピテクスと現代のアフリカ猿の分析である)、それで、我々の早々祖父を、拳で地面を突いて歩き、木にぶら下るサルに最もよく似ていたと予想していた。しかし、「アルディはチンパンジーらしくない」ホワイト氏によれば、それはつまり、最後の共有祖先もおそらくチンパンジーに似ていないということだ。「この骨は、ヒトの進化についての我々の理解を覆したのだ」とケント州立大学の人類学者であるC.オーウェン・ラブジョイ氏は語る、彼はアワッシュ中流域チームの一員である。「明確なのは、ヒトは、チンパンジーがちょっとだけ変わっただけなのではないということ、両者におけるゲノムは類似しているけれども。」

つまりどういうことだろう?アルディの解剖によって、チンパンジーは実はヒトよりも更に進化していたのかもしれないという考えが浮上した ― 過去700万年かそれ以上の間の科学的な意味における変化のことだが。これは、アルディがチンパンジーよりもむしろヒトに似ているという意味ではない。ホワイト氏は、アルディのことを、たとえば、ヒト特有の特徴との「興味深い組み合わせ」と表現する。アルディは全長47インチ(120センチメートル)で、体重はおよそ110パウンド(50キログラム)、これはルーシーのおよそ二倍の重さだ。アルディの骨盤上部、脚の骨とそして足の構造は、アルディが、よじ登る機能を保持しながら同時に、地面に対して直立に歩いたことを示唆している。アルディの足は、木の幹を掴むために挟み込めるような大きなつま先を持っていたが、サルが木の枝や蔦を掴んで登るのに必要な柔軟性を欠いていた(「ゴリラやチンパンジーの足はもはや手のようだ」とラブジョイ氏は言う)し、土踏まずもなかった、アウストラロピテクスや猿人は土踏まずがあったので真っ直ぐに歩けたのだ。アルディは器用な手を持っており、それはチンパンジーの手よりも動かしやすかったので、地面のものをつかんだり、二本足で歩きながらものを運ぶことが上手だった。アルディの手首、手、そして肩の骨は、彼らが、ナックルウォーカーで、サルのように木の上にいたり、ぶら下ったりして過ごさなかったことを示している。むしろ、アルディは、絶滅したサル特有の、手のひら歩行という原始的な方法を用いて、枝を移動したのだ。「”アルディ”は、見事にダーウィン論的な生物だ」とペンシルバニア州立大学の古人類学者であるアラン・ウォーカー氏は語る、彼は今回の発見には関与していない。「つまり、共有祖先とアウストラロピテクスの中間の特徴を持っているのだ。」

科学者たちがこのことを知ったのは、アルディの化石だけではなく、彼らが発掘した、他の110の骸骨、アルディ・ラミダス属の少なくとも35種の骸骨について調べたからだ。それらの骨と、同じ遺跡から発掘された何千もの植物や動物の化石を組み合せによって、およそ200,000世代前にアルディが生活していた場所の、非常に明確な絵を描くことが出来た。それは、ところどころに深い森や新鮮な湧き水のある草の多い森であった。コロブス猿は木の上でキーキー鳴き、一方ヒヒや像、うずまき状の角を持ったアンテロープ、そしてハイエナがその地域に生息していた。トガリネズミ、野ウサギ、ヤマアラシやそして小型の肉食動物は藪の中をチョコチョコ走り回っていた。色々な種類のコウモリや、少なくとも29種の鳥類、たとえば、孔雀やハト、ボタンインコやフクロウなどがいた。エチオピアの堆積物に埋もれていたのは、エノキの種、化石化したヤシの木やそして、イチジクの木の花粉の痕跡だった、そういったものの実の部分は、雑食であるアル・ラミダスが食べたに違いない。

この絵は、これまでに確立されてきた進化論の学問のある一面を崩してしまう。古人類学者は、かつて、我々の先祖を最初に二本足で歩かせたものは、気候の変化、つまりアフリカの森がサバンナ化したことだと考えていた。そういった環境では、つまり、直立姿勢の霊長類は、ナックルウォーカーよりも有利だっただろうから、なぜならば、直立姿勢だと背の高い草より上から見渡して、食べ物を見つけることが出来ただろうし、捕食者を避けることも出来ただろうからだ。ルーシーの仲間が、しばしば、より木の多い環境の下で生活していたという事実が、この学説を弱めはじめた。さらに何十万年も前に、アルディが、同じような環境で直立歩行していたという事実が、他の理由があったに違いないのだということを明確にさせるのだ。

理由が何であったかは謎だが、アルディの社会的行動に関するある学説がそのヒントを握っているかもしれない。ラブジョイ氏は、アル・ラミダスは、ヒト以外のどの霊長類にも見られなかった社会体系を持っていたと考えている。ゴリラやチンパンジーの場合、オスは、メスの関心をひくために、他のオスと激しく戦う。しかし、アルディピティクスは、とラブジョイ氏は言うのだが、オスはそういった競争を放棄し、メスとツガイになって、子供を育てるために一緒に暮らしていた可能性がある(必ずしも一夫一婦であったり生涯を通してというわけではないにしても)。この円満な生活の証拠は、全てに見られる、アルディピティクスの歯:その犬歯は、オスのチンパンジーやゴリラが闘うための尖った、ダガーナイフのような牙と比べると比較的丸い。「オスの犬歯」とラブジョイ氏は語る、「それは、突き出てもいないし尖ってもいない。もはや武器ではない。」

これは、メスが、牙の小さなオスと好んでツガイになったことを示す。メスがそんなに力を持っていたということは、ラブジョイ氏の主張では、アル・ラミダスは、オスが協力的であるような社会体系を確立させていたに違いない。オスはおそらくメスと自分の子供を助けたのだろう、例えば、食料を調達して分け合ったりして ― 行動の変化が二足歩行の生じた理由を説明する助けになるかもしれない。森の中で食料を運ぶのは難しい、やはり、直立に歩くことによって前足を自由に使えなければ。

そのような社会的行動の詳細を推測することは、正直なところ、空論なのだ ― そして数人の科学者達がすぐさま指摘する、これらの著者による、今までと異なる重要な結論は、この上さらに進んだ議論が必要だと。1つ問題なのは、アルディの骨にはほとんど木っ端微塵な状態で発掘された部分があり、大規模なデジタル復元処理が必要だということだ。「ティム [ホワイト] が、私に見せてくれたんだ、地中にある骨盤の写真を、それはアイリッシュ・シチューのように見えたよ」とウォーカー氏は言う。確かに、その実物を見て、古人類学者たちはそれぞれに違った解釈をするかもしれない、アルディがどんな風に動いたかとか、アルディは、ヒトとチンパンジーの最後の共通祖先について何を暴くのかとかについて。

しかし、サイエンス誌は特別号をよく発行するわけではない、つまり、これらの新しい論文に言及されている、通常ではない数と種類の化石が意味するところは、科学者が本物の証拠について議論しているということだ、それは通常のような、ここで発見された一本の歯や、また別のところで発見された足骨の欠片についてではない。「我々が(アワッシュ河中流域で)この研究を始めたとき」ホワイト氏によれば、「ヒトの化石の記録は、およそ3,700万年前まで遡ったのだ」。現在、科学者達は、ヒト科の起源まであと700,000年くらいまで近づいた時代の情報の宝の山を手にしている。「これはただの骨ではない」と彼は言う。「我々は、これまで空白だった時代の、ステキな、解像度の高いスナップショットを作り上げることが出来るのだ。」より多くのピースを探すことは続けられるが、このパズルの大まかな絵は、少なくとも、鮮明になってきたぞ。

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