Tuesday, August 25, 2009

'Trees of life' are vital food source

'Trees of life' are vital food source
「いのちの木」は大切な食糧源

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8181510.stm

VIEWPOINT:
Miranda Spitteler

木々がもたらす「飢饉食」は、そのほかの作物がおしなべて凶作の時に干ばつにおそわれたコミュニティーの生命線となりうるのだ。とミランダ・スピットラーはいう。そして政策者らは、緊急食糧援助を支給する際に、木々が果たす重要な役割を認識する必要があると今週のグリーンルームで主張する。

   『ひんぱんに食糧不足に襲われる国々で暮らす人々は、これまで慣行的に行われてきた援助の必要性を減らすにあたり木々が担うことができる重要な役割のことを古くから知っていたのだ。』


食糧不安は世界でも非常に貧しいとされる大部分の人々の生活の顕著な特徴であり、気候変動や食糧価格の高騰により今ではさらに悪化している。

緊急食糧援助はここ数十年間、干ばつや飢饉といった危機時において国際社会がおこなってきたおもな対応であった。

しかし、緊急事態がおこるまえに対策をうっておくほうがはるかに有効だ。

東ブルキナ・ファソの農夫アルゾーマ・ティオンビアーノは、1980年代の中頃に木々がどのように人々の命を救ったのか思い起こす。

「20年以上も前の話だが大きな飢饉に見舞われたことがあった。けれど、みんなバオバブの葉や実を食べて飢餓から逃れたんだ」。

ひんぱんに食糧不足に襲われる国々で暮らすひとびとは、これまで慣行的に行われてきた援助の必要性を減らすにあたり、木々が担うことができる重要な役割のことを古くから知っていたのだ。

欧米がこの役割を認識し、その土地の木々を基盤とした解決策への実際的な支援がすぐにも必要だ。


絶えることのない食糧

今年アフリカ本土の広範囲を襲った干ばつが、作物を台無しにした。国連の食糧農業機関によると世界中で30カ国が危機的状態にあり、海外からの援助を必要としている。

気候変動の影響で干ばつは日常茶飯となった。このことにより必要最低限の食糧ニーズをみたせるかどうか非常に危うい国々は、さらに危険な状態においこまれる状態となった。

西アフリカのブルキナ・ファソでは、貧しい農村のおよそ40パーセントが栄養不良問題をかかえる。
気候変動はすでに脆弱である農地の体力をさらに奪い、食糧の値段の高騰が人々の健康にも影響を与えている。

ブルキナ・ファソのような国の食糧不足と餓えが「緊急事態」レベルに達し援助発動の対象となるころまでには家族、コミュニティー、農作業、土地すべてが大変な打撃をこうむるであろう。

7月はじめにイタリアで開かれたG8首脳会議では、そういった緊急食糧援助の必要性を多少なりとも減らすために、原産の食糧品の生産を支援するために二百億ドルを費やすことが確約された。

しかしこの公約では、木々が果たすことのできる重要な役割について何もふれていない。

「従来の」作物はその土地原産のものではないことがよくあり、よい収穫を得ようとすると、多くの投資、大規模なかん水、そして土地の整備が必要であった。

つまり、そういった作物は干ばつの影響をいっそう受けやすいということだ。アフリカの乾燥地域の小自作農にとって、収穫の失敗は数カ月にも及ぶ栄養失調と困苦欠乏を意味しうる。



一方、樹木類はほかの作物が枯れてしまったときでも生き残ることがよくある。一般に西洋の人々には「飢餓食」として知られており、木がもたらす食糧はアフリカの農村全域において既に毎日の食物のかなりの部分を占めている。



木は果物、ナッツ、タネ、葉、花、ガク片、それから樹液さえも供給し、それらすべては食糧として使える。



ワサビの木(Moringa oleifera)を例にあげてみよう。その葉はニンジンより多くのベータカロチンを含み、プロテインはエンドウ豆以上、またビタミンCはオレンジ以上に豊富だ。カルシウムについては牛乳より、カリウムはバナナより多く、鉄分にいたってはその量はホウレンソウより多い。


授乳中の母親がワサビの木を摂取すると、より多くの授乳が可能になることがデーターにより示された。

葉は乾燥することが可能なので、飢餓時に食糧にすることができる。そして木がもたらす動物の飼料もまた乳や肉を生産するのに欠かせないものだ。

この現存する土着の「緊急援助」こそがG8財政支援が力を入れるべきものとして求めなくてはならないものだ。

自助

餓えとの戦いでは、-特に干ばつ時においては-世界中の貧しさの中心にいる人々をターゲットにしなくてはならない。つまりそれは、アフリカの農村の小自作農なのである。

『樹木の価値が世界中のあらゆるレベルの人々に認められるときなのだ』

農業・林業両用の土地利用技術は土地の肥沃度を増し、木々からの収穫を約束し、栄養を補おうとするものであるが、その技術を導入するにはサポートが必要なのだ。自分たちの土地に投資を行うための適切な環境、情報を共有する力、草の根レベルでのささやかな援助が彼らには必要なのだ。

村人たちが木々からの収穫で収入を得られるように、トレーニングとサポートをすることで援助をすることができる。

この収入により、収穫がないときに食糧を購入する力ができ、健康管理や教育といった大変重要なサービスにも手が届くようになる。

こうした働きかけで農村コミュニティーと国家経済の両方の自足率を増加することが可能だ。環境をさらに安全なものにし、生計手段を多様にし、貧しい世帯が気候変動や外部からの衝撃にたいして受ける影響を和らげるのだ。

実際に持続可能な長期の報酬をもたらすことが可能なのだ。

ブルキナ・ファソにあるドンゴという村では、ツリーエイド がビレッジツリー・エンタープライズ・プロジェクトにより、木々からの収穫物で村人たちが収入を得られるように支援することをねらいとして活動している。そのプロジェクトに参加しているのはすべて女性だ。

参加者の夫のひとりはいう。「前回の干ばつのときは穀物倉庫が空になり、一家の収入の半分以上に妻の稼ぎが貢献したんだ」。(このまえの日照りのときなんかには米蔵がからっぽになって、一家の稼ぎの半分以上が母ちゃんの稼ぎだったんだわ。)

このようなプロジェクトは、その土地の木々をうまく育てるためのスキルと支援を地域社会に与える。そしてドンゴに住むような人々たちの干ばつや凶作、食料値段の高騰などに対する抵抗力を強めることができる。

樹木の価値が世界中のあらゆるひとたちに認められるときがきたのだ。

G8のような機関は農業、林業両用の土地利用がもつはかりしれない可能性を開発していくと確約しなくてはならない。そうすることで今日の世界が直面している2つの重大な問題の解決策となるスマートで高度な取組を示すのだ。

こうしたプロジェクトは、もっとも貧しいとされる人々の貧困や食糧不安を緩和すると同時に木の保護と植栽をすすめる。そしてそれが気候変動による影響に取り組むこととなるのである。









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