Wednesday, November 25, 2009

Protecting Jungles: One Way to Combat Global Warming

http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1940544,00.html
By Andrew Marshall / Ulu Masen Monday, Nov. 30, 2009












野生の像を追跡するうえで知っておくべき重要なことが2つある、そしてその2つとも、実際にジャングルに行って野生の像を追跡する前に知っておいたほうがいい。1つめは、像は足が速いということ。鬱蒼とした森の中では―今回の場合、インドネシアのアチェ州にある広大なUlu Masen生態系で、ヒルが人々の足元で蠢き、白い手をしたテナガザルが木の上でキーキー鳴いているような場所なのだが―像は鹿よりも速く動けるのだ。2つめは、像は木に登れないということ。これはよいことである、何故ならば、もしも像の群れの1頭から狙われた場合、何をするべきか、これではっきりしたからだ。


あるいは、これは少なくとも、ジャングルのことを熟知した森林警備員たちの助言である、彼らは、この190万エーカー(7,700平方キロメートル)の荒野の一角を巡回している。この警備員たちは、ロンドンに本拠地を置く、フラウナ&フローラ・インターナショナル(FFI)によって、Ulu Masenを、違法な森林伐採者たちや、密猟者たち、つまりそこにある貴重な硬材や豊かな野生生物たちを欲張って狙っている輩から守るよう訓練されている、そこにいる野生生物たちというのは、像や、手長猿、豹、熊、ニシキヘビ、そして穿山甲(センザンコウ)などだ。ここの警備員の仕事は、現代社会とかけ離れているように見えるかもしれないが、Ulu Masenの未開の地をこえたはるか遠くの地と密接なかかわりを持っている―つまり、アフリカやアマゾンのようにインドネシアと並んで、熱帯雨林がまだかろうじて存在している場所から、コペンハーゲンの会議室、数千人の使節たちが来月の歴史的な気候変動に関する会議のために集まってくるだろう場所までと密接な関わりがあるのだ。


緑色の植物は光を利用して、大気中から吸収した二酸化炭素と、それから水とを有機化合物に換える、その副産物として、酸素を生成しながら。この一連の過程は光合成と呼ばれ、Uli Masenのような森を、地球の気候を調節するうえで、重要な役割を担えるようにさせている。森林は、推定3億トンの炭素を蓄えている、これは、全世界における温室効果ガスの年間総排出量の40倍に相当する―炭素の排出は、地球温暖化を引き起こすのだ。森林を破壊すれば、そこにあった炭素を大気中に放出することになる、現代における大きな難題―破滅的な気候変動を避けるという問題―を解決できないものにしてしまう。森林破壊による炭素排出量は、全世界の人間活動による炭素排出量の15%を占めており、これは、車両や航空機全てを含めたものによる炭素排出量よりもはるかに多くなっている。インドネシアにある森林は非常に速い速度で消滅していっている、信じられないことだが、発展途上国であるインドネシアの炭素排出量は、産業大国である中国とアメリカに次いで3番目なのだ。1950年以降、グリーンピースの推定によれば、1億8千200万エーカー(740,000平方キロメートル)を超えるインドネシアの森林が、Ulu Masen95個分を超える広さに相当する森林が破壊されあるいは劣化してきたという。


良いニュースはある、森林を保護することは、”炭素排出に関して得をする最も簡単でお金のかからない方法の1つであるということだ”と、グリーンピースの広報担当者であるダニエル・ケスラー氏は語る。Ulu Masenは、REDDと呼ばれる国連の先駆的な計画のもとで保護される最初の森林のひとつになるだろう―REDDとは、発展途上国における林減少と森林劣化に由来する排出を削減しようとすることである―国連のこのプロジェクトは森林を無傷のまま保つための多額の奨励金を提供する。ここにその仕組みをあげる。Ulu Masenの森林を保護してそのままこれから30年過ぎれば、推算で1億トンの炭素の地球の大気圏への放出を止めることができる―この量は5,000万回のロンドンからシドニーへのフライトによる炭素放出量に相当する。こうして蓄えた炭素量は、何100万ものカーボン・オフセット・クレジットに換えることが出来る、このクレジットは、国連による排出量の削減目標を達成しようとしている、裕福な国や企業に売られる。こうしたクレジットの販売によって生まれた収入は、その後、森林へと再投入されて、その森のすぐ傍で暮らしている集落の生活を改善し、それによって、人々に木々を生かしたまま保たせることへの理由を与えるのだ。言い換えれば、森林は枯らされるよりも、保護されて温室効果ガス排出量を削減するほうがいいということ。

Sunday, November 1, 2009

Hunting for Tuna: The Environmental Peril Grows

http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1933116,00.html









By Krista Mahr / General Santos City Monday, Nov. 09, 2009
Tuna on sale at Tokyo's Tsukiji market, the biggest fish and seafood wholesaler in the world. Japan consumes some 80% of the 60,000 tons of bluefin caught on average worldwide each year
Atlantide Phototravel / Corbis


ほぼ毎日のように、夜が明けると、ジョン・ヘイツ氏はちょっと恋に落ちたようになる。150ポンドのキハダマグロに身を乗り出している、55歳のアメリカ人で魚の輸出を商売にしている彼は、マグロの、深い眼窩の周りをクルッとなぞるように指さす。「ほら、なんて澄んだ目なんだ」彼は、釣り上げられた時の針のし穴をなぞり、釣り糸でついた胸鰭の下の跡をなぞる。「時々」ヘイツ氏は語る、「いいマグロに会うよ、僕にとっては女よりもよく見えるやつにね。」

ヘイツ氏、ブロンドのイリノイ出身で、色あせた“マウイ&サンズ”のTシャツを着て、二の腕のマグロの刺青を誇らしげに見せている彼は、徹底したマグロ人間である。だから彼は、地球最大のマグロ水揚げ漁港の一つである、フィリピン南部にあるジェネラル・サントス市で生活し働いている。8月の朝6時になれば、埠頭の暑さ(騒々しく、金属音をたて、騒然と飛び交う、1万人もの買い手や売り手、運搬業者や、銀色の肌に鈍らナイフを突き刺す男たち)は、情け容赦ない。漁船の乗組員たちは、デッキ上の影の一角にしゃがみ込み、煙草をくゆらしながら、自分の分け前を待っている。揺れている漁船の船体は、血の混じった氷水にまみれていて、殆どカラになっている、シャーベット状の氷の中にほんの一つか二つのマグロの光る腹が揺れているだけだ。運搬業者たちは、すでに、何千頭ものマグロを肩に担いで、輸入業者のところへ運んでしまった;輸入業者たちは、よく肥えた新鮮なマグロに群がっている、新鮮なマグロの、ぬらぬらとした滑らかな皮はいまだに潮のにおいがしているし、その鱗は、まだ生きていた時のようにほんの少しの黄色い色に光っている。

これが、週にほんの数回しかない、質の良いキハダマグロの水揚げである。ヘイツ氏は、売り手と買い手の間で罵倒や冗談の飛び交う、集まりの中に飛び込んでゆく。品質調査官は、鉄の棒を魚の肉の中に沈め、赤身のサンプルを引き抜き、それを、親指と人差し指の間ですり潰して匂いを調べる。最大で最良のマグロは、卸値でおよそ700ドルになる、それは、洗い、頭を落とし、腸を除き、ドライアイスを入れて梱包されて、10:30のマニラ行きの便に間に合うよう運び去られる。翌日には、東京やシアトル、又はカリフォルニアに届き、翌晩には、その肉が、箸でつまみあげられるのだ。

世界のマグロ取引は、21世紀における酷い狩りである。古代ギリシャ人は、かつて断岸に立ち、マグロの群れが沿岸を通り過ぎるのを待っていた。今日、漁船の群れは、マグロを追いかけて何千マイルもの海の彼方へと行く、ヘリコプターやGPS,音波探知機を使って。1950年には、およそ60万トンのマグロが世界中で捕獲された。昨年、その数値は、600万トンに達した、フィリピンからカナダのプリンス・エドワード島まで追跡した成果である。

いくつかの種類のマグロにとっては、この追跡は続けられなくなってきている。9月に、欧州委員会は、EUは大西洋のクロマグロ国際取引の一時停止を支持するべきだと要請した、クロマグロは、キハダマグロの仲間で大きな種であり、刺身用として喜ばれるので、一頭数万ドルで売れるのだ。

現在の漁獲高から、世界野生動物保護機構が推算したところによると、地中海で産卵する大西洋のクロマグロは、現在生息している海域から、早ければ2012年には消えてしまう可能性がある。しかし、この停止要請はEU加盟国である諸国によって棄却された、ギリシャ、キプロス、マルタ、スペイン、フランスそしてイタリアであるがこれらの国は全てマグロ取引の利害がからんでいる。「この狩猟は容赦がない」と、マイケル・サットン氏は語る、彼は、カリフォルニア州・モンタレー・ベイ水族館にある、海洋の未来センターの副館長である。「マグロは海の、狼、ハイイログマ、ライオン、そして虎なのだ。もし、頂点にいる捕食者がいなくなれば、その生態系はバランスを崩し始める。」陸地では、ライオンや狼などの捕食者の頂点が死に絶えれば、その次にいるヒヒやコヨーテが頭角を現すものだ、食物連鎖を壊して。海でも同じことが起る。大西洋地域の南方クロマグロ生存数は、1950年代以降90%をこえる減少を見せているようで、それは今後も減少し続ける可能性がある、と科学者は考えている。缶詰業者、科学者たち、そしてWWFと協力関係にある国際シーフード維持基金によると、世界中の、19種の、クロマグロを除く商業マグロの生存数のうち、半数は、現在乱獲され、クロマグロと同様のリスクを抱えている。

これは、海にとってばかりでなく、ジョン・ヘイツや何百万人もの他のマグロ類で生計を立てている人たちにとっても悪いニュースである。ジェネラル・サントス社は“フィリピンのマグロの町”というモットーでその名を馳せたそのとき、漁師たちは朝になると出かけて行き、夕暮れ時には2頭か3頭の150ポンドのキハダマグロやメバチマグロを抱えて戻ってくるのだ、その2種類のマグロはクロマグロ同様に、刺身として売れる。現在、そのマグロのうち最も小さなものでさえ、少なくとも2日か3日は洋上にいなければ捕獲できない。この海域は、他の多くの海域と同様、非常に長い間、激しい漁が行われていたのだ。「ジェネラル・サントス社はマグロに一喜一憂している」とヘイツ氏は語る。「今、それもどんどん減ってきている。人々は、しっかり目を覚まさなければならない。」